投稿

2024の投稿を表示しています

番外編その2

前回2024年7月末にアップした 番外編 の記事についてですが、本来書かないといけない一番重要なことを書き忘れていました。 前回の記事で紹介した自著ですが、この本は、「 最初にお読みください(About) 」のページでも触れたとおり、このブログを制作しようと思い立ったきっかけの一つとなっています。この本の章立ては、前書きと結論部分を除くと以下のようになっています。 雨 雪 雹・霰 露 霜・結氷 雲・霧 風・暴風 寒さ・冷たさ 暑さ 乾燥 雷・稲光・雷鳴 その他 この順番に従うと次は当然ながら「雪」を取り上げることになるわけですが、正直ここのところでどうしようかと迷っています。一つには、連日の猛暑続きの天候のせいで体がかなりバテてしまっているので… あと、今まで集めてきたネタはほぼ使い切ってしまったため、これから新たに別のネタを探し直す必要があるのですが、ここであえて「雪」をトピックとして選ぶ気があまり起きない、というのもあります。なので、最終的に今後どういう形になっていくのか、現時点では全く未確定です。 まあ、まずは「降水現象」について包括的にとりまとめることを今まで最優先に取り組んできたので、結局のところは「雪」か「雹」のどちらかを取り上げることになるのだろうなとは思うのですが… -- ところで、どうでもいい話ですが、久しぶりに自分の本を棚から取り出して改めて見てみると、やっぱり表紙と背表紙のタイトルの文字がデカすぎで、今見るとどうにも恥ずかしいです…著者名共々、サイズはもう二回りくらい下げてもらうべきでした…

番外編:旧約聖書ヘブライ語の気象語彙(昔書いた本の紹介)

イメージ
今回は番外編です。 このブログでは主にドイツ語で気象についての文章を読む時に役立つ(かもしれない)情報を扱っていますが、もともと当ブログ主が大学時代に研究対象にしていたのはドイツ語ではなく、全く別の中東の言語でした。で、その言語の研究書を2017年に自費出版したのですが、今回はその宣伝も兼ねて少しだけ内容を紹介してみたいと思います。 この本を出すことになった最初のきっかけは、とある辞書の記述をもとにして、旧約聖書ヘブライ語の気象語彙リストを作ったことです。 というか、最初はごく軽い気持ちで、雨とか雲とか風とかの単純な天気語彙のリストってどこにもないよね〜、だったら自分で作ってみようか…と、思い立ったのがもう十数年前、2010年か2011年の春頃のことです。で、その際、調査対象に選んだ辞書が1000ページを超える大部なもので、これを1ページずつ、1行ずつ、隅から隅まで目を通して片っ端から語彙を拾い上げていくうちに、予想外の語彙の使用例やら他の語彙からの転用例やらが大量に見つかってしまい、項目数がどんどん膨れ上がって結構大きなリストになってしまったのでした。 で、どうせならそれらの語彙の出現箇所を全部網羅したリストも作ろう、となり、そこからさらにギリシャ語七十人訳、ラテン語ウルガタ訳との対応表も作ろう、となり、ここまで来たら用例を説明する文章も要るよね〜、となり、例文もあるものはとりあえず放り込んでしまえ〜、と次から次へと調子に乗って内容を盛っていくうちに、気が付いたら最終的に400ページを超えるぶっとい書籍になってしまっていたのでありました…というか、本人は、書籍というよりはちょっと専門寄りの同人誌、という位置づけのつもりで書いていたのですが、最終的に出版社様がとても良い紙質で装丁して下さったため、とにかく重たい本です。鈍器としても重宝します!! (まあ大部になったのは、1つの例文に最低でも4行も使った上に、行間調整とか一切せず、下の画像でも分かるように周囲の余白も広く取り過ぎてスペースの異常に多いレイアウトにしてしまった自分のせいなのですが…) とにかく、この本のメインコンテンツは実は巻末の語彙リストであり、本文の方がおまけです。しかも言いたい重要なことは序章と結論部分に大体書いてあ...

動詞 ausgehen

ドイツ語には本当に多義語が多いです。いやまあドイツ語に限ったことではないんですが。 今回はそんなドイツ語の動詞の中から aus|gehen という自動詞を取り上げてみようと思います。特に気象に関係する動詞、というわけではないのですが、ちょくちょく見かける上にいろんな意味で用いられているので前々から気にはなっておりました。 ところで、英語で動詞 aus|gehen に語形的に対応する語は、おそらく go out ではないかと思われます。実際ドイツ語の aus|gehen にも「出る」「外出する」という文字通りの意味はあります。 ただ、ドイツ語の aus|gehen の場合、そこから「尽きる」「なくなる」「〜という結果に終わる」、さらには「議論の出発点とする」「想定する」など実に様々な派生義でも用いられています。実際辞書を見ても、意味分類の仕方は様々ではありますが、例文量は派生義の方がはるかに多いくらいです。 なので、今回はドイツ気象局の、主に気象ブログの例文から、この動詞の様々な用法についていくつかご紹介してみようかと思います。さすがに全ての意味を網羅的に扱うことはできませんが、よく見かける例を中心に取り上げていきます。なお、今回の翻訳文例はいつにも増して直訳と意訳が混在した不自然な訳文になるかと思います。あらかじめお詫びしておきます。 まずは与格を取る例文から比較的わかりやすいものをいくつかあげてみます。 Tief ANDREAS geht allmählich wortwörtlich die Puste aus , wird er doch zwischen einem Hoch im Westen und einem Hoch östlich von uns "eingeklemmt", wodurch er sich mehr und mehr auflöst. [和訳:低気圧 ANDREAS は次第に文字通り 息が切れる 。しかも西の高気圧と、我々の東にある高気圧との間で身動きが取れなくなって(字義:「挟み撃ちに遭って」)しまうため、次第に消滅してしまう。] ...