最初にお読みください (About)


このサイトの管理人の nekonke_ame と申します。西日本にある、とある海沿いの町の小高い丘の中腹にある一軒家で日々猫たちとともに生活しております。

このサイトは、ドイツ語で気象情報を読むのに役立つ、豆知識的なあれやこれやをまとめるために立ち上げました。主に気象の初歩知識のおさらい的な内容が最も多くなるとは思いますが、多少なりとも気象にかかわることであればなんであれ、まずは取り上げてみるつもりでおります。一応リンクフリーで、引用の際も、出典さえ明記していただければこちらへの通知は不要です。ただ、一度アップした内容に後から書き足したり、表現をいじったりすることも割とありますので、引用の際は念のため参照した日附も書いておいた方がいいかもです。


当ブログの作成動機1

なお、私自身は実はドイツ語は話せないのですが、そんな私がそれでもこのサイトを立ち上げようと思った直接の動機は、大きく分けて2つあります。


まず、2011年の東日本大震災の発生直後のことですが、ドイツ気象局 Deutscher Wetterdienst のウェブサイトが、福島の原発事故で放出された放射性物質の拡散予測(正確には、専用の予報モデルを使い、一定の条件下で走らせた拡散シミュレーションの演算結果を gif 動画形式で描画したもの)を独自にネット上で公開していたことがあります。様々な濃さの茶色の染みが、福島を中心にして渦を巻くように広がっていく gif 動画をまだ覚えておられる方も多いのではないでしょうか。もちろん、あくまでも仮想的条件下でのシミュレーションであり、解像度も粗く、しかも新しい演算が実行されるたびに拡散の過程はその都度リセットされていましたので、その内容は必ずしもその時々刻々の実態を忠実に反映しているとは言い難いものでした。ただ、それでも情報が限られている中、藁にもすがる思いで毎日その動画をチェックしていた方は国内外問わず多かったのではないかと想像します。実際私も、ヨーロッパの予報機関がその国独自の予測モデルを使って、地球の裏側の一地域の微粒子の拡散シミュレーションを、継続的に行い、かつ無償で公開している、ということにまず興味を引かれ、そのページを含め、しばらくそのサイト内をいろいろと見て回っておりました。


で、そうこうしているうちに、ある時同じサイト内に Thema des Tages (字義:「その日のテーマ」)という、ドイツ気象局の予報官が毎日日替わりで更新している気象ブログがあるのを見つけました。このブログは結構な分量があって、日によってはパソコン画面で見ても百行くらいに及ぶ長文が投稿されていることも珍しくないのですが、私はいつの間にか拡散予測よりもそちらのブログの方を優先的に読むようになっていて、気が付くとなんやかんやでおよそ10年もの間、1日も欠かさず読み続けてしまっていたのでありました…おかげで最近では、自然科学の分野でよく使われる言い回しだけでなく、四季折々の気象ネタなどもそれなりには分かるようになってきたつもりです。で、どうせなら購読の際に得た独文解釈上のノウハウを、なんらかの形でネット上に公開できないものか、と考えたのがそもそもの始まりです。


当ブログの作成動機2

2つ目は、多少手前味噌になってしまうのですが、数年前にとある出版社(溪水社)さんのご厚意で一冊研究書を出版させていただいたことがあります。それは学生時代に専門にしていた旧約聖書ヘブライ語についてのもので、旧約聖書中に存在する気象に関する語彙、文表現を片っ端から取り上げて、例文とともに紹介した書籍です。特に巻末の語彙リストは、3つの部分に分かれていて、それぞれを作るのに1〜2年くらいかかっています。自分で言うのも何ですが、おそらくこれ以上詳しいものは世界中どこを探してもないだろう、と思えるくらいにとにかく情報を詰め込めるだけ詰め込んで作り上げました。(なのでむしろおまけが本体とも言えます…)ただ、本文の方の実質的な内容はおそらく二百ページにも満たないのですが、調子に乗って例文を数百個も盛り込んでしまったために、結果的に400ページを超える大部なものになってしまい、文字レイアウトやフォントの使い方に慣れていなかったこともあり、読みにくいことこの上もない本になってしまったのでした…


で、その本を書く際に用いた気象現象の分類フォーマットを、別の言語にも適用できないものか、と考えて立ち上げたのがこのサイトです。つまりこのサイトは、自分で執筆した著書の、いわば副産物のようなもの、ということになります。


ドイツ気象局公式サイト・気象用語解説 Wetterlexikon

ところで、上であげたドイツ気象局ですが、ここは日本の気象庁に相当する役所です。最新の予報から過去の統計、プレスリリースに至るまで、ひととおりの情報はまずはここから探してみることをおすすめします。全ての情報がフリーで公開されているわけではありませんが、それでも多くの情報はここか、もしくはここに貼られているリンク先から得られます。


気象用語解説のページ Deutscher Wetterdienst - Wetterlexikon も非常に詳しく、充実しています。当ブログでもたびたび引用することになると思います。


残念ながら用語解説とブログのページは、自前の英語コンテンツが用意されていないみたいで、翻訳ソフトを使うか、自力で辞書を引きながら地道にドイツ語本文を読んでいくしかないのですが、それでも実際に読んでみると、まずはその文字量の多さに圧倒されることと思います。日本のブログは一行あたりの文字数が少なく、行間も空けて読みやすさを優先的に追求したスタイルのところが多いのですが、ドイツ人はその逆で、とにかくデータというものへのこだわりが半端ありません。きっちりと論理的に文章を組み立て、論証のためにデータを事細かに列挙していくそのスタイルは、慣れないうちはうんざりしてしまうのですが、長いこと読んでいると意外と慣れてくるものです。(印欧語やゲルマン言語学関係の論文なんて、読んでいると文の途中に見慣れない語例やら大量の略語やらが何の説明もなく次から次へと羅列されていて、地の文を抽出する作業からまず一苦労だったりしますから、それと比べれば全然大したことありません。いや、割とマジで…)


日英語での気象用語解説・用語リスト

ついでながら、日本語で気象語彙について本格的に調べたい時には、まずは気象庁のホームページでの予報用語の解説が参考になります。また日本気象学会も英語と日本語での気象用語の対照表を公開しています。これらのページを足がかりにして、文献や検索サイトなどで必要な情報を探してみてください。

英語では、アメリカ気象学会の気象学語彙集が充実しています。英語が読める方はこちらで調べるのもいいかと思います。


当ブログで用いる文法用語・略語等

最後に、当ブログでは大体大学の第2外国語としてのドイツ語教育課程の初年度を終えたくらいの人を読者として想定しています。ただ、文法用語や略語については、以下のようにしています。


まず、名詞や代名詞の格ですが、日本のドイツ語教育の現場で昔から慣用的に行われてきた、数字付きの格(1格、2格、3格、4格)による表記は行わず、それぞれ主格 (Nominativ) 、属格 (Genitiv) 、与格 (Dativ) 、対格 (Akkusativ) と呼び、略記もドイツ語の用語をそのまま使用しようと思います。例えば、

  • etwDat = 物の与格
  • etwAkk = 物の対格
  • sichDat = 再帰代名詞の与格
  • sichAkk = 再帰代名詞の対格

のような感じです。形容詞は、単独では無語尾の形で、名詞に付加する場合は冠詞のない強変化の形で載せてあります。語尾であることが分かりやすいように、語尾だけ細字のままにしていることもあります。


また、数については単数は sg. 、複数は pl. です。性については男性は m. 、女性は f. 、中性は n. と、どれも辞書などでよく見かける略語をそのまま使っています。名詞の後ろのカッコ内には、(性、単数属格/複数主格)の順で載せてあります。形容詞は adj. と表記しています。


また、動詞については基本的に不定詞の形で示していますが、分離動詞については、分離の前綴りと動詞本体の間に aus|breiten のように縦線|が入れてあります。


以上、そんなわけで、不定期更新にはなると思いますが、これから長い目でゆるりと見てやっていただけるならば幸いです。


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